TMS|福岡市早良区西新の心療内科・精神科|ひとやすみこころのクリニック西新院

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TMS治療とは

脳のイメージ

TMS治療とは、Transcranial Magnetic Stimulationの略で、日本語では経頭蓋磁気刺激と呼ばれます。頭に密着させた専用の器具から磁場を発生させ、脳の神経細胞を刺激する治療です。
実際の治療ではこの刺激を繰り返し行うため、反復経頭蓋磁気刺激(repetitive TMS : rTMS)治療と呼びますが、単に「TMS治療」と呼ばれることも多く、どちらも同じ治療のことを指しています。

薬物療法、心理療法とは異なる新しい治療法で、特にうつ症状に対する効果が期待されています。アメリカを始めとした海外では既に広く使われている治療で、日本では2019年から薬での治療が効きにくい、「治療抵抗性うつ病」に対して保険が適用されるようになりました。

TMS治療のメカニズム、効果

TMS治療のメカニズムは電磁誘導の法則を応用したものです。専用の器具(コイル)から磁場を発生させることで脳内の一部に電流を発生させます。この刺激を繰り返し行うことで、脳内の神経ネットワークのバランスが改善され、様々な効果が期待できると言われています。
特に効果が期待できると分かっているのは抗うつ効果です。薬による治療が効かなかったうつ病患者様に対して、TMS治療を行うことでうつ病が改善したというデータが得られています。およそ3人に2人程度の割合で一定以上の効果があると考えられています。

TMS治療の特徴

  1. メカニズムが異なる新しい治療
    TMS治療は、薬物療法や心理療法と異なり、脳の神経回路に直接はたらきかける新しい治療です。そのため、これまでの治療で効果が見られなかった方や副作用からお薬が使えない方にとっても、効果が期待できる治療です。
  2. 副作用がほとんどなく、安全性が高い
    TMS治療は、副作用がほとんどなく、安全性が高いのも特徴です。薬物療法は薬が血液を通して全身に影響するため、期待する効果以外にも副作用があります。TMS治療は脳にピンポイントで刺激を与える治療であるため、副作用が少ないです。治療中に刺激に伴う軽い頭痛や頭皮の不快感が現れることがありますが、治療を進めていくうちにおさまる程度のものが多いです。
  3. 治療期間が短く、効果が出るのが早い
    TMS治療は短期間で効果を感じやすいのも特徴です。1回の治療は約10~30分で、一般的に1~2か月かけて20回程度行うことで効果が期待できます。その期間内はこまめな通院が必要になりますが、薬物療法と比較しても早期に症状が改善するケースが多く、短期間で集中して治療を行うことができます。
  4. 再発率が低い
    TMS治療の効果は持続性があり、再発率も低いです。1年後の再発率は1~3割と言われており、薬物療法と比べても低い再発率です。治療によって脳の神経回路が正常な状態に戻るため、一時的な改善にとどまらず、長期的な症状の安定が期待できます。
    さらに再発予防としてTMS治療を定期的に行う維持治療や、薬物療法との併用治療も選択肢としてあります。

TMS治療の副作用、リスク

TMS治療は副作用がほとんどなく、安全性が高い治療ですが、刺激部位の不快感や軽い頭痛などの副作用が起きることがあります。多くの場合は治療を進めていくうちにおさまる程度のものですが、副作用が強い場合には刺激の強さを調整します。
また、頻度は少ないですが、聴力障害や耳鳴り、めまいといった副作用が起きることがあります。予防策として耳栓をつけることもあります。

その他にはイライラが増したり、不眠が強まったり、躁状態になったりする(躁転)といった精神面のリスクもありますが、こちらも頻度は少ないです。
重篤な副作用としては、ごくまれに失神やけいれんなどが起きる可能性があります。

TMS治療が向いている方、TMS治療ができない方

TMS治療が向いている方

薬物療法で十分な効果が得られない方

TMS治療は、うつ病に対してこれまでの薬物療法で効果を感じられない方に特に向いています。抗うつ薬が効かない場合や、副作用のために十分な量の薬が使えない方にとって、脳の神経回路を直接刺激して症状を改善するTMS治療は、新しい治療の選択肢となります。

薬物療法に抵抗がある方

薬を使用した治療に抵抗がある方にもTMS治療はおすすめです。薬を服用することなく、非侵襲的(体を傷つけることなく)に脳の働きを改善させることができます。副作用も少ないため、薬の副作用が心配な方に向いている治療です。

短期間で治療を行いたい方

TMS治療は比較的早く効果が得られる治療です。1回の治療は約10~30分で、一般的に1~2か月程度で行うことができます。治療後すぐに日常生活に戻ることができるため、仕事や家庭の事情で長期間の治療が難しい方や早く症状を改善したい方に向いています。

TMS治療ができない方

頭部周辺に金属が埋め込まれている方

TMS治療は強力な磁場を発生させる治療であるため、ペースメーカーや頭部周辺に金属(脳深部刺激装置、人工内耳、脳動脈クリップ、金属製のインプラントなど)が埋め込まれている方は、治療を受けることができません。

けいれんのリスクが高い方

てんかんの診断を受けた方や、過去にけいれん発作が起きたことがある方、その他けいれん発作のリスクが高い方は、脳への刺激がけいれん発作を引き起こす可能性があるため、TMS治療を行うことができません。

まとめ

TMS治療は、これまでの治療とは異なるメカニズムで行う新しい治療です。特にうつ病に対しては薬物療法に反応しない患者様にとって有効な治療法となる可能性がありますが、効果には個人差があります。治療を検討する際は、主治医とよく相談し、自分に適した治療法を選択することが重要です。TMS治療にご興味がありましたらお気軽にご相談ください。

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