“当院はひとやすみこころのクリニック西新院です”
姪浜院の方の受付はこちらでできませんので、ご了承ください。
西新院のご予約の方はこちらよりよろしくお願いいたします。
〒814-0002福岡県福岡市早良区西新4丁目8−23
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病院の選び方
こころの不調を感じたとき、最初の一歩として大切なのが「どこに相談するか」です。こころの不調の治療では、自分に合った医療機関を選ぶことが回復への近道になります。
しかし、周囲の人に相談しづらいと感じたり、客観的なデータで比較が難しかったりする点から、こころの病院選びは特に難しく感じるかもしれません。実際、「どこの病院に行ったらいいのかわからない」といったお声を聞くことも多いため、ここでは、病院の選び方のポイントをご紹介します。参考になれば幸いです。
病院とクリニックの一番の違いは入院施設があるかどうかです。入院を前提とした治療を希望される場合は病院を受診されることをお勧めします。
入院が必要かどうかわからない場合や、入院を考えていない場合はクリニックをお勧めします。
病院は入院治療が中心であるため、主治医が担当する外来日が週1~2日であったり、土曜日は診療がなかったりする場合が多いです。そのため、お仕事や学校に行かれている方は休みの調整が難しく通院の負担が大きくなることがあります。また、大学病院をはじめとした大きな病院では医師の入れ替わりも多いため、主治医が毎年のように代わるといったことも起こり得ます。
こころの医療は一度の受診で終わることが少なく、継続的な受診が必要になることも多いです。そのため、自宅から遠い、車で通いたいのに駐車場がないといった不便さがあると通院の負担が大きくなり、ちょっとしたことで相談に行きづらくなってしまいます。個人差はあると思いますが、通院する場合は概ね30分以内で通院できるところが良いでしょう。
またクリニックを受診する場合、一般的にはクリニックに通院することになりますが、最近はオンライン診療を行っているクリニックも増えてきました。
オンライン診療は自宅で受診でき、通院の負担が少ないメリットがありますが、緊急時の対応などに不安がある場合もあります。また、オンライン診療を行う医師(特にオンライン専門のクリニック)は、患者様が住んでいる地域に詳しいとは限りません。そのため、入院が必要になった際の病院への紹介や、地域の医療福祉サービスとの連携(リワークなど)が難しいことがあります。
以下に、一般的な通院診療とオンライン診療の違いをまとめました。それぞれのメリット、デメリットを考え、ご自身に合った選択をすることが大切です。
項目 | 通院診療(対面) | オンライン診療 |
---|---|---|
医師の診察 | 直接対話 表情や雰囲気も含めた情報 |
画面越しでのやり取り 非言語情報は限定的 |
診察の精度 | 観察・検査を含めたより丁寧な評価 | 主に問診のみで判断 |
薬の処方 | 初診から必要に応じて処方可能 | 処方制限あり |
検査の実施 | 心理検査や血液検査など可能 | 原則、検査は不可 |
緊急時の対応 | その場で対応可能 | 緊急対応は困難 |
他の機関との連携 | 地域の情報があり連携、紹介がスムーズ | 地域の状況を把握できず連携がないことも |
通院の負担 | 来院が必要になる 移動時間・体力が必要となる |
自宅などから受診できる 通院の必要がない |
継続性・信頼関係の構築 | 医師やスタッフと関係を築きやすい | 関係構築には時間がかかることも |
対応が向いているケース | 初診や症状が不安定なとき 治療方針を相談したい人 |
定期的な再診 治療内容を決めている人 |
今の日本の制度では医師が心療内科(精神科)と名乗れば(届け出れば)すぐに診療ができます。つまり、初期研修を終えたばかりの医師や、他の科から心療内科に変わったばかりの医師といった、こころの医療の経験が浅い医師が担当することも十分にあり得るのです。
当然、こころの医療においても医師の技術や経験が治療成績に大きくかかわります。医師に直接経験を尋ねることは難しいと思いますが、ホームページで経歴を載せている場合は必ず確認するようにしてください。
「内科、心療内科」「脳神経外科、心療内科、精神科」といった複数の科を掲げている医療機関も多く、こころの医療の経験がない場合でも「心療内科」や「精神科」を標榜している可能性があります。経歴で分かりにくい場合は、こころの専門医の証拠である「精神科専門医」「心療内科専門医」「精神保健指定医」といった資格があるかどうかは1つのポイントになります。
また、依存症や児童精神科などの専門的な分野で受診を考えている場合は、担当医師がその領域に精通しているかを確認しましょう。
こころの医療では医師の精神療法(診察)が基本になりますが、時間をかけて行うカウンセリングが必要になることもあります。しかし、日本の医療保険制度では、ごく一部の限定した状況でしか心理士が行うカウンセリングの保険適応は認められていません。
そのため、現状では心理士がいたとしても自費でしかカウンセリングができないことが多いのです。患者様にとっては必要な医療行為であっても、経営的な負担となるため心理士がいない医療機関も少なくありません。言い換えると、心理士がいる病院は経営面だけでなく、患者様の治療を大切にしている可能性が高いです。ただし、病院によっては自費のカウンセリングを必要以上に勧めてくるところもありますので、注意が必要です。
今の時代はホームページがない病院は少ないので必ずホームページを確認してください。ホームページを見ることで、院内の雰囲気や医師の経歴、その病院が大切にしていることなどがわかる場合もあり、その病院のことを知る貴重な情報です。
初めて受診する医療機関をGoogleやSNSなどで検索して、口コミを参考にされる方も多いかと思います。実際に受診した方の体験から、院内の雰囲気や医師の印象などを知ることができるのは大きなメリットですが、偏った意見になっている可能性もあるため、あくまで参考程度にとどめておくのが良いでしょう。
最近では、いわゆる「サクラ」やAIによって自動生成された口コミが含まれている場合もあり、情報の信頼性にばらつきがあるのが現状です。
医師の技術や経験が大事であるとお伝えしましたが、こころの医療では医師との相性も非常に重要になります。
何となく合わないと感じている場合は自分が思ったことをなかなか診察で伝えることができず、結果として必要な情報が医師に伝わらず、治療方針が大きくずれてしまうこともあります。またこころの医療では友人や家族にも言いたくない、恥ずかしいと思ってしまうような内容も話し合う場合がありますので、「この医師なら信頼できる」と思えることが大切です。
「薬を全く使わない」「すぐに薬が何種類も出された」「自費のカウンセリングを何度も勧められる」「一方的に治療法を決められる」こんな場合は要注意です。
こころの医療では個人差が大きく、まだ分かっていないことが多い分野でもあります。そのため、どの治療法が良いのか患者様と一緒に決めていく共同意思決定(SDM:shared decision making)が重要と言われています。偏った治療法を一方的に勧めてくる場合は、こころの医療の原則から外れていると言えるでしょう。
ここまで様々なポイントをお伝えしてきましたが、一番のポイントはやはり「医師との相性」です。こればかりは実際に受診してみるまでは分からない場合が多いので、迷った場合はまず受診してみることが大切です。
しかし一度受診したからといって、その病院に通い続ける必要はありません。「合わないな」と感じたら、病院を変えてみてもかまいません。病院を変えることを主治医に伝えにくい場合は、転院先の病院が紹介状不要のところを受診しましょう。また当院では複数医師がいるため、当院では転院せず主治医の交代ができます。
ただし、すでに薬を服用されている場合は、急に中断すると症状が悪化する可能性があります。薬は中止せずに、新しい病院を受診するようにしてください。
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